子ども部屋のあり方
前回までは3帖子ども部屋について考えてきました。
しかし、いずれ納戸になってしまうかもしれない子ども部屋。
お子様がいる住まい手がプランを考える時、当たり前のように子ども室がある間取りを検討する方が多いでしょう。
しかし、そもそも必要なのか、逆にもしかしたら必要ないかも?と思われる方もいるかもしれません。
子ども部屋は間取りに取り入れたい
結論として、私は子ども部屋は必要だと思います。
数人で1部屋、1人1部屋、いずれにしろ親が関与しすぎない適度なプライベートが確保できる空間は必要かと思います。
大事なことは”適度な”です。
もちろん、子ども部屋を作らないという考えを否定するわけではありません。家族の在り方とは人によって異なるので、我が家はつくらない!と信念を持ったプランであればそれは間違いないと思います。
子ども部屋を与えるタイミングで家族ルールを決めよう
子ども部屋を与えるタイミングで、部屋をつかう際の家族のルールを決めておくとよいでしょう。
例えば、ゲームは部屋に持ち込まない、夕食の時間は家族みんなで食べる、などでもOK
家族のコミュニケーションを大事にできる家族みんなのルールをみんなで決められるといいですね。
子を信頼することも大切
子どもは成長すると、学校、クラブ活動、習い事、アルバイト・・・家庭以外にもコミュニティが広がっていきます。
親は子を心配するあまり、干渉しすぎてしまうこともあるでしょう。
子育て初心者の私でさえも、子どもが年頃になった時に干渉しすぎてしまわないかな、100%信頼できるだろうかはわかりません。大変な思いをしてほしくないという親心からついつい口出ししてしまいそう。と自分自身も不安です。
子を信頼するとは、そう簡単ではないでしょうが、子どもから信頼される、子どもが安心できる親になりたいですね。
書きながら、はたして自分はどうなのか・・と心にグサッときています。
時には子どもを信頼する、干渉しすぎないという点で、間取りを考えることも大切です。
リビングイン階段を例に考えてみましょう。
リビングイン階段 子どもとの関わり方ではメリットばかり?
リビングイン階段は、年頃になった時にも必ず子どもと顔を合わせられるのがいいですよ
という話を聞きます。
間取りとは、メリットデメリットは表裏一体。住み手が違えば間取りに正解はありません。
“必ず子どもとコミュニケーションをとれる”とはメリットではありますが、それは親目線でのメリットだなと私は思うのです。
子どもの立場になって考えてみるとしましょう。
住まいとは、家族の誰もが帰りたなる住まいであってほしいと思うのです。
例えばです
親と子の関係が良好でなかったとしましょう(一時的に親と子が反発する時期もあるかもしれません)
子どもが家に帰った時、強制的に顔を合わせないといけない環境があったとしたら、もしかしたら家に帰りたくないそう思う子もいるかもしれません。
親がリビングにいる時間をさけて帰宅する、もしかしたらそう考える子もいるかもしれません。
リビング階段を採用したからと言って、親が想像する家族関係が構築されるわけではないだろうと思うのです。
無駄なスペースが少ない等、構造的なメリットも多いリビングイン階段ですが、ネットにあふれているメリット、デメリットだけで判断すべきではありません。
これはリビング階段に限ったことではないですが、住み手自身が”私たち家族にとってはどうなのか”を深く考える必要があると思うのです。
子を干渉しすぎないという考え方を含めてリビング階段を採用する場合は、リビング入ってすぐに階段をもってくるとゆう考え方もあります。(壁なしのオープン階段はそういった考えでは、効果はないかも?)
リビングイン階段を採用しない際の工夫
例えば、階段をホールに設置した場合、ホールとリビングとの建具に大きめのガラスを入れたり室内窓を取り入れたりする工夫もあります。リビングを通らなくても姿を確認することもできます。
プライベート空間と家族共有スペースの境界線はゆるやかに
方法としては、子ども室に完全な扉をつけない間取りです。カーテンでも適度な空間は確保できます。(空調の工夫は必須)
大人のワークスペースと子供の勉強スペースを一緒にするという方法もあります。
ファミリークローゼットを採用することが多い昨今、そう考えてもやっぱり子ども部屋は3帖で十分ですね。
結局は家族関係が良好に過ごせる住まいが一番
子を干渉しすぎず、個人として尊重しつつ、家族として良好なコミュニケーションは大切にしたい。
そのためにも、家族関係が良好に過ごせる住まいが一番です。
間取りは十人十色。家族関係が良好になる間取りはこれ!!!というものはありません。
ただ、家族のあり方としてどういった思いを持っているのか住み手自身が理解しておくことが大切です。プランを考える時に、設計士さんにしっかり伝える必要がありますからね。
子にとっても家族共有のスペースが心地よいと思ってもらう事が、一番子とコミュニケーションをとる方法として一番有効でしょう。
なぜか子どもがリビングにいる、そうなっていれば、その思いはうまく間取りに組み込まれたいたという事です。
人間とは、自身に余裕がないときは、穏やかではないものです。
穏やかでない雰囲気の場所にいたくないと思うのは、大人も子ども同じ。
どうしたら家族と良好な関係が築けるのか、自身が穏やかに過ごすにはどういった要素を大事にしたいのか自己分析、家族分析は必須事項でしょう。
それは、設備や予算面、素材の工夫、日当たり、風通し、動線、間取りを考える上で最も重要です。
住まいづくりは決めないといけないこと、あきらめないといけないこと、たくさん迷うことが出てきます。そんな時はいったん立ち止まって、”そもそも住まいを建てようと思った目的って何だったけ?”と自問自答してみましょう。きっと根底には”家族がしあわせに暮らせる住まい”への思いがあるはずです。そのためにはどの選択をすればよいのかをしっかり考えると、納得がいく選択ができるでしょう。
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